バ鏡

稚拙で支離滅裂ながらも日々感じたことを書き綴ります

さたでーらんちまうんてん

土砂崩れと雨でグチャグチャの山道を一人ひた走る

大学生活にも心身が慣れだして日々に張り合いが生まれつつあった今日この頃、鈍った体を叩き起こす為に山登りを立案し早速電車に小一時間揺られて着いたのは妙見山

降りた先に広がる原風景に目を輝かせながら人の気配が全くない獣道をてくてくてくてく歩いて行くと、あった見つけた。如何にもな雰囲気を醸し出す小さな小さな山道入り口。

かんかん照りの太陽の光すら通さない鬱蒼とした深緑に、思った以上の急勾配。
周りをブンブン飛び回る小虫を払いのけながら奥へ奥へと進んで行くと、前方に何やら土砂崩れの警告看板が半ば打ち捨てられた様に立っていた。

元来真面目な性分なのでこのまま通り過ぎる訳にもいかず、近くの切り株に腰掛けていたおじさんにダメ元で通って良いか尋ねると、「通っていいよ」とあっさり承諾してくれたので半信半疑で看板を超えた。


すると眼前には土砂と昨晩降った雨でグチャグチャになった山道がこれでもかと言う程延々続いていた。
看板を見て引き返さなかったことを悔やみながら仕方なしに延々歩くが、どうにも頂上に着く気が全くしない。
それどころか地面の状況は更に悪化している様で
道幅は極端に狭まり、足元には大小様々な石がゴロゴロ転がっていた。

それでも滝の様な汗を流し、ゼーハーゼーハー喘ぎながらひたすら進んで行くと何やら祭囃子が聞こえて来るではないか。すると一気に孤独感は消え、火事場の馬鹿力で鉛の様な足を無理やり引き上げながら駆け上がった。
そのまま無我夢中で突っ走っていると突然目の前が開けてドッと人の声が溢れ出した。頂上だ。

喜ぶよりまずガクガクの足を労わりながら近くのベンチに腰掛けるとポーチからアクエリアスを取り出して、一気に飲み干す。すると自然と口をついて
「頑張った頑張った」と自分自身を励ましていた。

普段山登りに慣れている方からすれば何を大袈裟なとバカにされるだろうが、たるんでいた自分にはおおきな何かを成し遂げた最高の気分だったのだ。
自分史上最高に充実した土曜日だった。

 

 


帰りはリフトを使って下山しました。流石にカラダが保ちません。